二度目の衝撃

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でも、遼太郎は「土曜日って、十九日か?」と聞き返したあと、「うーん」と唸って考え込んだ。 「十九日は無理だな」 「どうして?」 「ああ……ちょっとな」 たったそれだけのことで、私は内心かなり落ち込んでしまった。 初めてデートらしいことをおねだりしたのに……。 黙り込んでしまった私を、彼がなだめるように腕を回して抱き寄せる。 「日曜なら空いてるぞ」 「……日曜は花火やってない」 彼の腕の中でもぞもぞ動き、背を向ける。 「こら、拗ねるな」 本当は花火なんて別に見なくてもよかった。 私が会いたいと望む日に応じてもらえる、その安心感が欲しかった。 自分の立ち位置を再認識し、ついつい思い上がって欲張りになってしまう自分を戒める。
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