二度目の衝撃

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*** 遼太郎の予告通り、プロジェクトチームには世間並みのお盆休みはないらしい。 チーム内の一斉休暇として通達されたのは、お盆から数日後ろにずれた週末である、八月十九日と二十日だった。 たった二日では普通の土日と変わらない。 「これじゃどこにも行けないよなぁ」 「しかも土日だろ? どこ行っても混んでるし」 有難いのはその二日間に限り休日出勤が無いと保障されていることだけで、特に家庭持ちの社員たちからは嘆く声が上がった。 「関西組の二人は帰るの?」 「僕は帰るよ」 誰かの質問に答えた西岡課長のきっぱりとした声に、私はパソコンを打つ手を止めて顔を上げた。 なぜか隣の席のパソコンを打つ音も同時に止まっている。 遼太郎だ。
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