再会~初恋の残り香

35/35
3219人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
ようやくリラックスして微笑んだ私に、遠くで閉まりかけたエレベータのドアから一瞬だけ、あの強い視線が注がれた気がした。 そんな訳はないのに……。 遼太郎にとって、私は鬱陶しい子供でしかないのだから。 苦笑いして、窓の外に遠い視線を向ける。 あの時もこんな春の西日の中だった……。 窓ガラスに反射するオレンジ色の光に目を細めながら、私は遠い日を思い出していた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!