再会~初恋の残り香

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「よし。現地に近い借り上げってことで物件を挙げてもらうよ」 「ありがとうございます! 頑張ります」 「アクセスのいい住居提供はうちの本業だからな」 ミーティングルームを出ながら、課長はまた私をからかった。 「現地の地域性を肌で感じることは役に立つ。表向きにはそういうことにしておくよ」 「もう……。遊びませんよ」 「頑張れよ。いい仕事にしよう」 「はい」 張り切って頷いた私の胸は、大きな理想に向かう期待に満ちていた。
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