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こういう時、ほとんど経歴のない私のところに来る相手はおらず、身の置き場に困ってしまう。
でも、遼太郎がいる今は余計に、みっともなく立ち往生しているところは見せたくなかった。
飛び込み営業のように錚々たる顔ぶれの相手方に自分から果敢に話しかけて空振りするところを遼太郎の前に晒す勇気もなく、情けないけれど私は西岡課長に頼って体裁を繕った。
こんなことではこの先が思いやられるけれど、今日のところは遼太郎という想定外もあったことだし仕方がない。
場慣れしていない自分に落ち込みつつも、課長の横でそれなりに頑張ったおかげで幾人かと話ができた。
挨拶に来る相手が途切れ、少し膨れた名刺入れを安堵のため息とともに握り締める。
明日からは自力で切り開こう。
ひとり心の中で決意を固めていたその時、すぐ近くからあの声が聞こえた。
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