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炊き立てご飯のいい匂いが漂う学生食堂は、中庭と繋がっており、一面ガラス窓の食堂から、芝の美しい中庭を眺めることができる。
先に食べ終えた僕は、ぼんやりとその風景をながめていた。
「あ」
その時、ふと声が漏れてしまった。
「何?」
箸でハンバーグを持ったまま、良樹が窓を覗き込み、言葉を続けた。
「噂をすれば、ってやつだね」
良樹はニヤニヤしながら言った。
そこには、真っ直ぐな黒髪を風になびかせながら歩く芹沢彩香の姿があった。
彼女は、数冊のノートと教科書を胸に抱き、友達と談笑しながら歩いている。
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