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その時、まだ半分も閉めきっていないという状態で、背後から声をかけられた。
聞き覚えのある声だった。
ゆっくりと振り向くとそこにいたのは、芹沢彩香だった。
「おはよ」
彼女は僕と目が合うと、ふわりと微笑んだ。
「おはよ」
僕はそう答えながら、残りの半分の窓をそっと閉じる。
「やっぱり閉じるんだ」
彼女が口元に手を当てて笑って言った。
僕の行動なんてよくわかっているくせに、と思いながらも、この思ったことをそのまま口にする芹沢彩香の性格は、やはり嫌いじゃないなと思った。
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