1人が本棚に入れています
本棚に追加
/94ページ
ここは倭漢シリーズの世界。
互いを高めあう為に日々の特訓に励む者達が集う朱雀道場や、晃が通う覇王学園等がある。
「チェストー!」
彼、朱雀晃は今日も己の体を鍛えていた。
「お疲れ様。少し休んだら?」
「あぁ、悪いな。あゆり」
晃はあゆりと呼ばれた少女からタオルを受け取り、特訓で汗ばんだ体を両手で拭く。
彼女は晃の幼馴染みで、ガールフレンドでもある。
途中で、あゆりが「あっ」と思い出したかのような声を出した。
「そう言えば、知っている?」
「何がだ?」
「本で読んだ事があるの。空が光りし時、そこから異世界の住民現れる……とかなんとか」
「そんなファンタジックな事、信じるかよ。あー、腹減った!」
「本当に、晃ったら女の子らしくないんだから……」
リビングへと向かう晃の背中を見ながら、あゆりはそんな事をブツブツと呟くように言った。
最初のコメントを投稿しよう!