きっかけ

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ここは倭漢シリーズの世界。 互いを高めあう為に日々の特訓に励む者達が集う朱雀道場や、晃が通う覇王学園等がある。 「チェストー!」 彼、朱雀晃は今日も己の体を鍛えていた。 「お疲れ様。少し休んだら?」 「あぁ、悪いな。あゆり」 晃はあゆりと呼ばれた少女からタオルを受け取り、特訓で汗ばんだ体を両手で拭く。 彼女は晃の幼馴染みで、ガールフレンドでもある。 途中で、あゆりが「あっ」と思い出したかのような声を出した。 「そう言えば、知っている?」 「何がだ?」 「本で読んだ事があるの。空が光りし時、そこから異世界の住民現れる……とかなんとか」 「そんなファンタジックな事、信じるかよ。あー、腹減った!」 「本当に、晃ったら女の子らしくないんだから……」 リビングへと向かう晃の背中を見ながら、あゆりはそんな事をブツブツと呟くように言った。
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