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そう言うと私の隣に黒いボタンの目玉をつけたボタン人形をそっと置いた。
「始めましてボタン人形のエドワードです」
ハンサムな紳士が私に語りかけてくる。頬が真っ赤になるのが自分でもわかった。フィアンセが突然現れるなんてそんなこと。
「あなたにも意思があるでしょ。結婚なんて他人に決められてすることじゃないわ」
「でも僕たちはお似合いだと思うけどな」
エドワードがそう言うと重力が悪戯をしたのか私の頭が自然と彼の肩の上に落ちていった。不思議とマリアの笑顔に嫌味を感じない。
顔が変わると性格が変わるのかしら。私は真っ赤なほっぺを見せながら、お菓子屋のフランス人形たちを許してあげようと思った。
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