真っ赤なほっぺ

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 マリアは一声上げると私をベッドの上に寝かせ何やら作業を始めた。目玉をちぎったせいで何をやっているかわからなけど、ハサミの音で裁縫を始めたのはわかる。  ふん。好きにすればいいわ。一生懸命、言うことを聞く新しい人形を作ればいいのよ。もしもご機嫌取りに新しい洋服を作ってくれたとしてもそんなものではもう喜ばないわ。  私はふて寝をし幾らかの時間がたった。目が見えなくても顔に当たる光りでだいたいの時間はわかる。日が柔らかい夕方だろう。 「裁縫に手間取ったけどやっと終わったわ。次はあなたの新しい顔を作る番よ」  体を持ち上げられマリアのお節介が始まる。本当に嫌な気分。月明かりの下でしか動けないのが恨めしい。私はなすがままで彼女の独りごとに付き合うことになった。 「新しい黒いお目々は取れないようにしっかりつけてあげる。ほっぺは可愛く見えるように真っ赤なボタンを使いまわすわ。笑っているほうがモテるから口元の刺繍は笑顔にしておくわね」  あぁ、もう苛々する。嫌いなボタンが顔に四つもついて、おまけに無理やり笑わせるなんて、絶対にこんな顔は認めない。時計が夜中の十二時を回ったら、全てのボタンを引っこ抜いて呪いの人形になってやるわ。  マリアは私の頭を撫でると笑顔を見せた。 「最後にこれ、あなたの旦那様よ。名前はエドワード仲良くしてね」     
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