0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
僕は、文化祭の時のメンバーに連絡を取り、交渉した。
最初はみんな笑っていたが、なんだかんだでまたバンドを組んでくれることになった。
そこからまた高校生に戻ったかのように練習を始め、路上ライブをしたりして徐々に聞いてくれる人も増えた。
メンバー全員がスーツを衣装にしていたため、『あのスーツを着たバンド』と呼ばれることも多くなり、いつしか大きな会場でライブができるくらいまでになっていた。
150万の生活費は、500万ぐらいまで増えていた。
ある日、某音楽番組のプロデューサーの目に留まり、出演させてもらえることになった。
ライブ会場とは、全く違う緊張感。
生放送とだけあって、裏では沢山の人達が走り回っていた。
秒刻みのスケジュール。
大御所のMCとの絡みが終わり、カメラの前に立つ。
僕は必死に震えを隠した。
スタッフの合図に合わせて、マイクを握り、息を吸う。
「…それでは聴いてください。」
『OTOSHIDAMA!!!!』
最初のコメントを投稿しよう!