第三章

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***  保科先生とホテルで二時間ほど過ごすのは大体木曜日の夜だ。毎週ではないけれど、先生が早く仕事を終われた時に会うようになっている。  今日も先生と過ごしていた。先生は私の身体を丁寧に弄って、愛してくれる。私の感じやすいところをちゃんと覚えてくれて、いつも私を身も心も気持ちよくさせてくれる。私にはもう、先生のいない日常なんて考えられなくなっていた。  私は以前より欲張りになった自分に気付いている。  身体は手に入れた。次は心が欲しい。私だけを見て、考えて、愛して欲しい。  私はなんて我儘なんだろう。でも、その想いは消せなかった。  先生の奥さんてどんな人だろう。先生は奥さんと別れるという選択肢はないのだろうか。 「圭介」  甘えた声で先生の首に腕を回す。 「はいはい、何です? 」 「私、圭介の全部が欲しい」
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