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アップルティーを飲んで落ち着くと、私の涙も止まった。ふぅと息を吐く。保科先生はそんな私をただ黙って見守っていた。
「すみません。泣いたりして。少し落ち着きました」
アップルティーのペットボトルを握りしめながら私は息を吐いた。
「そうですか」
保科先生は淡く微笑む。
「保科先生に会えて良かったです」
「私も会えて嬉しかったですよ」
「そうなら寄って良かった」
普通の会話。
でも。
ほらね。保科先生に会えても何も変わらない。中学生のあの頃より先生が遠くなったのを感じるだけだ。
「保科先生」
私はもう一度先生の名を呼んだ。
「はい?」
先生はまだ先生として答えてくれているのだろうか。
私の中で何かが狂いだす。
私はこのまま保科先生の一生徒として埋もれていくのは嫌だ。私の胸で保科先生はまだ色濃く残っているのに。
「私、今日、振られたんです」
私の口が勝手に言葉を紡いでいた。
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