煙草が似合わない

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 春宮の言葉が禁断の呪文みたいに頭の中で響き、判断力を麻痺させていく。  春宮は、ひとまず納得したというように狩野の方を振り向いた。 「んじゃ、手っ取り早くこれを使い物にしてやるか」  スリッパを脱ぐと、ジッパーを下げた狩野の股間を足の裏で撫でる。狩野の下半身がぎくっと反応した。 「とっとと下脱ぎな」  操り人形にでもなったみたいに諾々と、制服のチェックのスラックスを下ろし、その下のトランクスと一緒に足から引っこ抜く。 「ふうん。ま、とりあえずサイズは及第点か」  半勃ちだったそれは、答案を採点するみたいな春宮の目に晒されるだけで、じわじわと硬さを増していく。 「脚、もっと開け」  春宮は狩野が座った椅子の前に膝をつくと、顔を伏せ、それの先端をぺろりと舐めた。 「んああっ」  ぶわっ、と身体中の毛穴が開くような気がする。  自分の手で乱暴に擦った経験しかない狩野にとって、それは想像をはるかに上回る快感だった。  くびれまで口の中に含まれ、ソフトクリームでも舐めるみたいに、舌でくるくると先端を刺激される。と思うと、付け根まで呑み込まれ、唇でねっとりとしごき上げられる。 「く、あっ……やめろ……」     
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