水原さんちのクリスマス

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 ゆっくりと起き上がると、寝室にある机に何かが置いてあった。  新品の手袋と、手紙が入った封筒だ。封を開けると、手書きで三人のメッセージが綴られていた。 「おとうさん、いつもおしごとしてくれてありがとう」 「おとうさん、かぜひかないで、おしごとがんばってね」 「幸雄さん、いつも家族のために一生懸命働いてくれてありがとう。ほんとうにご苦労様。少し遅れたけど、クリスマスプレゼントです。外に出るとき使ってください。化粧品、使わせてもらうね」  そこまで読んで、はっとして、一気に目が覚めた。  三人がプレゼントをくれたようだ。 自分にもプレゼントをもらえるとは一切考えていなかった。先日の子供たちのように飛び出して行きたかったが、さすがにそれはやめて、静かに興奮して手袋を握りしめた。あたたかい。  こうして我が家は、四人ともクリスマスプレゼントを受け取った。
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