3 魔女と吸血鬼

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そこで気付いてしまった。ジェスリルがいなくなれば、ジョシュも人間界で生きるのが難しくなる事に。 「エリル、具合はどうだい?まだ夜中だけれど、眠れないのかな?」 ジョシュが席を立って私のそばに来ると、心配そうに肩を抱いて椅子に座らせてくれた。 「ジョシュ、お食事中にごめんなさい。ちょっと話があって」 ジョシュは私の向かいの席に座ると、テーブルの上で手を組んで、じっと私を見た。 ジョシュの返事を待って、私も彼を見つめ返した。 ジョシュは少し何か考えて一つ頷き、グラスを手に取った。 「これが何か知っているね?」 「知っています」 「飲んでもいいかな?」 「もちろん、どうぞ」 ジョシュは浅く笑ってグラスを傾けた。 飲み干して目を閉じ、ナプキンで口元を拭う。グラスを持つ手の指先で、ジョシュの綺麗に整えられた爪が鋭く尖って伸びた。 再び目を開けると、いつもは澄んだブルーの瞳が真っ赤に染まっている。口元に酷薄な笑みが浮かび、知らずぞくりと背中が泡だった。 「この姿を見てどう思う?」 ジョシュがそう問いかけてきた。 答えを探す私に、怖いかと聞く。 ジョシュの初めて見る姿に、確かに一瞬恐怖を感じたかもしれない。 けれど、落ち着いた声音も、私を見つめる眼差しもいつものジョシュと変わりない。     
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