4 魔女と妖精

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足に擦り寄る柔らかな毛並に、皆の視線を集めている事に気付いたのか、仔猫はミュゥと鳴いた。 次の瞬間、猫は私と同じくらいの大きさにまで膨れ上がり、ポンと音を立てて少年の姿になった。 明るい金色の髪に、翠色の瞳、白いドレスシャツに淡い水色のジャケット姿。 少年に変身した猫はニコリと天使のような笑みを浮かべて言った。 「今朝は助けてくれてありがとう、エリル。 ご挨拶が遅れました、魔女ジェスリル。 妖精界から参りました。ユリウスと申します」 「これで四界の役者が揃ったな」 ジェスリルはそう言って立ち上がり、皆を魔女の書がある書庫へと案内した。 ユリウスもロウとジョシュも、今日はジェスリルに呼ばれてここへ来たらしい。 私は驚いてまじまじとユリウスを見た。 ユリウスはいたずらっぽく笑って人差し指を唇に当て、私にだけ聞こえるように囁いた。 「選択肢には僕も入れておいてね」 何の選択肢?問い返そうとしたが、廊下へと出るジェスリルを追って行ってしまったため、言えず仕舞いだった。 ジョシュがサラリと私の腕をとり、疲れていないかと気遣ってくれる。 「さっきの話の続きはまた後で聞くよ」 優しく微笑む姿は、いつものジョシュだった。     
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