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ジェスリルは地下にある書庫まで皆を案内し、長く閉ざされていた扉を開け放ち、中へと入って行った。
ジェスリルがフーっと息を吹くと、部屋に明かりが灯り、壁一面の書物を照らし出した。
「ここにあるのは魔女の生涯を記録している書物だ。本が勝手に必要な事を記録しているんだ」
ジェスリルは一冊を手にとってパラパラと捲りながら説明を始めた。
「例えば此処には、何代か前の魔女が一人の人間に魔力を分け与えたと書かれている」
その本を元の位置に戻し、すーっと指を滑らせた先に、一冊抜け落ちた箇所があった。
「ここにあるはずの魔女の書は、私の妹ネイドリルが持って行ったままだ。
魔女の書が王の手に渡れば、この館はもとより、皆の住む世界も危険に晒される事になる」
たしかネイドリルは王に嫁いだって・・・
皆の顔が一様に青ざめている。
ジェスリルが皆に向き直り、静かに言った。
「魔女の書を取り戻して欲しい」
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