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ジェスリルの横に座り、向かいのソファーに座るロウを見れば、いつに無い真剣な表情で、私を見返してくる。
「エリル、君はもう15歳だね。これからジェスが話すことをよく聞いて、自分の判断で選んでほしい」
何を選ぶのだろう。話とは何なのだろう。まさかこの家を出て一人立ちしろとか?一瞬にして悪い想像が膨らむ。
いつかは出て行かなければならないと思っていた。ジェスリルは私を拾って育ててくれたが、血が繋がっているわけでは無い。いつまでも働かずに世話になるわけにはいかないだろう。
私は覚悟を決めてジェスリルに向き直った。しかしジェスリルの唇から紡ぎ出された言葉は私の想像とは違うものだった。
「エリル、人間として生きていくか、私の跡を継いで魔女になるか」
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