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「何で? 夏といえば、海とお祭りじゃん」  楓はニコニコと言う。 「その一つ目で、すでに俺は死にかけてるんですが」 「それは、千夏が勝手な行動したからだろ」  ……まぁ、そうですけど。 そうですけどね! 「その前に、これこそ冬川先輩と行かねえのかよ」  楓は目を伏せた。 「先輩、他の人と行くんだって」 「あぁ、そう……」 「ね、だから行こうぜ」  冬川先輩が駄目だから俺?  結局、俺と行きたいわけじゃないんだよな?  俺の中に、何かが湧き上がって消えた。  いや、そんなの関係ないだろ。 俺は楓の幼馴染で親友なんだから―― 「千夏?」 「あ、ああ。うん……別に、いいけど……」  俺は少し混乱したせいで、すんなりと承諾してしまった。  そのせいで、俺は翌日、とてつもなく後悔することになる。
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