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「千夏ちゃん、知らないと思うから、紹介するね」  今、普通に千夏ちゃんって言いましたよね。 「はい、こいつは七海 春。僕の小学校の頃からの友達。あ、言っとくけど、男だから」 「ゆっずー……変な言い方しないでよ」  冬川先輩にそう言われて、七海先輩は困ったように笑った。 実際、七海先輩は女の子のように可愛い顔をしていた。 背が小さめで、柔らかな黒髪は耳をすっぽり覆うくらいの長さ。 決して女装しているわけじゃないんだけど、ショートカットの女の子と言われれば何の疑いもなく信じてしまうだろう。 というか、めちゃくちゃ可愛い。 そこら辺の女子より抜群に可愛い。 「千夏くん、はじめまして。普通に春って呼んでいいよ」 「あ、はい。よろしくお願いします……」  正直、春先輩の笑顔は眩しすぎて見ていられない。 人間界に紛れ込んだ天使か何かなのか? 一人目からパンチがきついです。 「で、この何か顔がムカつく奴が和泉」 「お前の主観入れるんじゃねえよ」 そう言って、冬川先輩を睨みつけたのが、和泉先輩。 春先輩とは対照的で、背が高くて茶髪。切れ長の目で落ち着いた雰囲気。 「よろしく。和泉 柚生(ゆう)です。俺、あんまり後輩とかと話したことないから慣れてないんだけど……」 「要するに、コミュ症」 すかさず、冬川先輩が呟く。 「黙れ、眼帯」
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