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その後、楓と先輩達は、わざわざ足がつくかつかないかぐらいの深さの場所まで泳いでいって、みんなで泳ぎの競争をしたりしていた。
俺はその周りを浮き輪に乗ってプカプカと海草のように漂っているしかなかった。
何回も逆ナンされている恰好いい皆さんを見ながら、他人のふりを続けるのは中々良い精神力を鍛えるトレーニングになる。
プラス思考は大事だよな。
そろそろ、そのトレーニングにも耐え切れなくなり、俺はそーっと彼らから離れて、岩の方へと(浮き輪をつけて)泳いでいった。
そこはあまり人もいなくて、純粋に海が楽しめそうだった。
俺は別に海が嫌いなわけじゃない。
夏といえば海だと思うし、海に浸かっているだけなら普通に気持ちいい。
しかし、事件は起きた。
完全リラックスモードだった俺は、少し大きめの波が来ていることに気付かなかった。
あっと思ったときには波の勢いで俺は押し上げられ、浮き輪が俺の体から離れていった。
やばい。という気持ちとともに、俺の全身は海の中へ――
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