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俺は楓の言いつけどおり、しばらく砂浜の上に座っていた。
考えれば考えるほど、楓にとって俺が冬川先輩より大切なんてことはないだろうと思った。
冬川先輩は楓の初恋の人なんだ。
それに比べて、俺はいつも隣にひょこひょこいる、ダサい奴。
楓の言うそんなの決まってる、とはこのことだろう。
冬川先輩のことの方が大切だけど、俺のことも大切だということだ。
俺の質問は女がよく言う、『仕事と私、どっちが大事なの?』という何の生産性もない発言と同じだったんだ。
どっちも大事。
でも、生きていく上で仕事の方が大事。
それが答えだ。
馬鹿みたいだな。
俺、どうしちゃったんだろう。
何であんなこと聞いちゃったんだろう。
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