2048人が本棚に入れています
本棚に追加
「何で? 夏といえば、海とお祭りじゃん」
楓はニコニコと言う。
「その一つ目で、すでに俺は死にかけてるんですが」
「それは、千夏が勝手な行動したからだろ」
……まぁ、そうですけど。
そうですけどね!
「その前に、これこそ冬川先輩と行かねえのかよ」
楓は目を伏せた。
「先輩、他の人と行くんだって」
「あぁ、そう……」
「ね、だから行こうぜ」
冬川先輩が駄目だから俺?
結局、俺と行きたいわけじゃないんだよな?
俺の中に、何かが湧き上がって消えた。
いや、そんなの関係ないだろ。
俺は楓の幼馴染で親友なんだから――
「千夏?」
「あ、ああ。うん……別に、いいけど……」
俺は少し混乱したせいで、すんなりと承諾してしまった。
そのせいで、俺は翌日、とてつもなく後悔することになる。
最初のコメントを投稿しよう!