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そして、 次の日。  案の定、お祭りはカップルばかりで俺は到着早々に萎えた。  しかも、浴衣を着ているイケメンと、貧しい恰好(浴衣ですよ?)をしたダサいやつが一緒にお祭りとか……どうすりゃいいんだよ……。   同じく華やかな浴衣に身を包む可愛い女の子たちは、みんな楓のことを見てるし、さっきも気の強そうな女の子が俺の存在なんぞ無視して、楓に話しかけてきた。 楓は飛び切りの笑顔で友達と来てるからごめんね、と断った(女の子はそのとき、初めて俺の存在を知ったようで、鬱陶しそうに俺を睨んだ)。  というわけで、俺のメンタルはすでに傷ついています。  一方、楓はお祭りに来るとテンションが上がるのは昔から変わらない。 さっきから、俺を引きずり回している。 「千夏! たこ焼き食お! たこ焼き!」 「ちょ、待って……たこ焼き高い。っていうか、さっき焼きそば食ったじゃん」 「俺が買ってやるから!」  金持ちか、このイケメン。
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