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「クリスマスといったら大体チキンだと思うんですけど、西園家ではホワイトシチューなんです」
視線の端に見えてきた大型スーパーの看板に、車線を左に変更した。西園は続ける。
「窓際に置いてあるツリーの電飾が赤とか青とかに光ってて、食卓にはほかほかと湯気が上がる真っ白いシチューがあって……」
「家族そろって食事か?」
「はい」
目をキラキラと輝かせ優しく微笑んだ彼女に、こちらの身体まで温かくなった。まるでテレビCMのような幸せな光景に溶け込む今よりも幼い彼女。
(これからは俺が……)
俺は唇を引き結び、ハンドルを握り直した。
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