第一章 絶望と異世界と狼男と少女

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 私の頭の中で、『ゴミ屋敷』という言葉がライトアップされる。その周りで盆踊りを踊るネロのイメージが浮かんでしまった。 「まぁ、ベッドで寝れるから文句は言わないけど……」  ベッドの周りの邪魔な物を最低限どかしてから、私はベッドに横たわる。  仰向けになったとき目に入った天井は、私がよく見知ったものとは違った。それだけで、強烈な違和感が私を襲う。 「早く寝なきゃ……」  自分に言い聞かせるようにしてから、目を瞑って体の力を抜く。  その日私は、何故か昔の思い出の夢を見た。  その思い出の中に両親の顔が無かったことが、私はなんとなく悲しかった。
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