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原案(あらすじ)
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
頭が熱い、と思いながら楠田は体を起こした。
気合を入れようと道上と2人で近所の山に登って朝日を拝んだんだった。
日がだいぶ高くなっている。
道上はまだ横で寝ていた。
「起きろよ」
ピカリと光る額を叩いた。
俺たちはハゲがコンプレックスだ。
いつも2人で会っては、ハゲのせいでいかに損をしているかを愚痴っている。
そんなある日、ラジオで「てっぺん大賞」なるものが開かれることを知った。
ハゲにまつわるいい話、おもしろい話を募集するという。
優勝賞金は100万円。
いっちょやろうか、なんて話をしていた。
数日後、元ハゲ仲間の増毛が会いに来た。
植毛した上に自分に自信をつけ俺たちから離れていった。
こいつ嫌いだ。
増毛は従妹のカヨコを連れてきた。
頭も良くて美人ときたら悩みなんてないだろう、と思っていた。
ハゲたちは知る由もなかったが、カヨコは過酷な人生を過ごしていた。
増毛は
「しょうもない愚痴を言い合う暇があるなら、カヨコのしゃべり相手になってくれ」
と勝手に言って出ていった。
数日後、通り魔のニュースが全国に流れた。
夜道を歩いている10~30代男性の頭をバリカンで剃って逃げるらしい。
怪我人などはおらず、愉快犯と見られている。
ワイドショーで誰かが
「ハゲがコンプレックスでやっているんじゃないの」
と言うのを聞いて、楠田は奮起した。
バカにしやがって
よし、犯人を捕まえてやろう
3人は調査を開始した。
その中で、多くの出会いがあった。
バイセクシャルのキャバ嬢・ヒナ
半身不随の舞台俳優・堂島
緊張すると倒れる坊さん・橋本
ハーフの高校生・山田
一時、犯人に疑われる場面もあったが、彼らの協力も得て真犯人へと近づいていく。
ハゲたちはすっかり忘れているが、てっぺん大賞はどうなるのか。
毛髪的、性的、身体的、性格的、人種的―
明るいマイノリティは世界を救う。
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