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「佳波さん、そろそろ起きましょうよー」
さっきから何回も言ってる言葉。
「今日休みだよ。たまにはゆっくり寝たい」
だけど佳波さんが起きる気配は全くない。
時計は既に10時をさしている。
珍しいな、佳波さんいつも早起きなのに。
佳波さんが起きないんじゃ私も起きても退屈だし。でももう眠くないし……。
「ゎ……っ」
突然、腕を引っ張られ、そのまま腕の中に閉じ込められる。
「やっぱりこれが1番落ち着く」
そんなこと言われたら文句も言えない。
……このままゴロゴロするのもたまにはいっか。
佳波さんの頬に手を当てるとじわりと体温が流れ込んできた。
「あったかいです」
「なに、寒いの?」
「少しだけ」
佳波さんが横に避けていた布団を私にかけ、また手が背に回される。
そのままぎゅっとされた。
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