温泉旅行

12/25
前へ
/359ページ
次へ
笑い声が重なる。なんか意外だな。 小さい頃の佳波さんどんな感じだったんだろう。 きっと可愛かったんだろうなぁ……。 ああ、お義母さんに写真見せてもらったらよかったな。 今度見せてもらおう。 なんて考えていると佳波さんが隣に来た。 「だめ」 ぷに、とほっぺをつつかれる。 何がだめなんだろう。 「今写真見たいとか思ったでしょ」 なんで分かったんだろう……。 驚いて佳波さんを見ると佳波さんは言った。 「前にも言ったでしょ。亜夜の考えてることは分かるんだって」 「……佳波さんエスパーみたいですね」 いや、私が分かりやすいだけなのか。 ……まあいっか。佳波さんに隠すことなんて今更ないし。 「今度見せてくださいね」 「だめって言ったでしょ」 「どうしてですか?」 そう聞くと佳波さんは言葉を詰まらせた。 そしてそっぽを向いて、小さな声で、 「恥ずかしいから」
/359ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加