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「口で言うのは簡単だよ。でもこれから先、何があるかわからないから」
ああ、だめだ。珍しくネガティブモードに入ってる。
うーん……どうしようかな。
「もし、そんなことがなくても、終わりは来るんだよ。最近、すごく感じる。このまま歳をとって、亜夜と一緒におばあちゃんになって、でも先にいなくなるのは私」
いつもの佳波さんならこんなこと言わない。
そんな先のこと、って笑い飛ばしたい。
でも、笑えない。だっていつか必ずくる未来だから。
「亜夜を1人にしてしまうんだって思ったら、怖くて。亜夜がそのことに不安を感じてやっぱり同じ歳の子の方がいいって言い出すんじゃないかって不安になって」
「なめないでください」
言葉が口を突いて出た。
だって、そんなことを考えて一緒にいる人を決めるんじゃない。
ただ一緒にいたいから一緒にいるのに。
そんな未来が来るとわかったうえで一緒にいるのに。
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