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「好きだよ、亜夜。大好き」
耳元で囁かれ、体温が急激に上がったのが分かる。そんな甘い声ずるい……。
「ふふ、真っ赤」
可笑しそうに、眠たそうに佳波さんが笑う。
佳波さん寝ぼけてるの……?
「佳波さんはずるいです。いつもいつも、私をドキドキさせてばっかり。私だってドキドキさせたいです」
「んー?どうぞ」
どうぞ?どうぞって言われたって……!
ふと視線をあげると近距離に佳波さんの顔。自然と体が動いた。
ちゅ、と音を立てて。
「ほっぺ?」
不満そうな佳波さんの声。ほっぺにチューしたのは初めてだったから。
「あ、嫌でしたか……?」
もしかして、嫌いなのかな……。
「ううん、嫌じゃないよ。ほっぺもいいけど」
けど?
佳波さんが顔を近づける。至近距離で目を見られて、
「口の方がいい」
なんて言われた。
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