341人が本棚に入れています
本棚に追加
「分かってるくせに」
佳波さんが意地悪く笑う。
「してよ、亜夜から」
無理……！ そんなことできるわけがない。
だけど佳波さんは自分からは動こうとしない。
私だってしたくないわけじゃない。
むしろ……でも恥ずかしいんだもん。
佳波さんからしてくれたらいいのに……なんて思っても。
「したくないの？」
「……いじわるです」
ちゅ、と一瞬触れるか触れないか。
私にはこれが限界。
これだけでも頬が熱いのに。
恥ずかしくて佳波さんから少し離れようとすると、
「ん……っ」
ぐいっと顔を上げさせられ、口を塞がれた。
そのまま舌が入ってくる。
どうにか応えようとするが、苦しくて、恥ずかしくて上手くできなくて。
「は、……ん」
「……亜夜、一生懸命で可愛い」
佳波さんが囁く。唇はまだ触れる距離。
なんで、この人はいつもこんなに余裕ありげな……。
最初のコメントを投稿しよう！