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乱れた呼吸をどうにかととのえる。
「大丈夫?」
頷くと佳波さんがふわりと微笑んだ。
この顔が好き。
にこってするのも好きだけど、この表情がすごく綺麗で。
誰にも見せたくない。私だけの顔。
「そろそろ起きようか」
佳波さんがようやく体を起こす。
もうお昼前。
「ああ、もうお昼ご飯だね」
可笑しそうにそう笑う佳波さん。
「誰のせいだと思ってるんですか」
皮肉を込めてそう言うと、
「亜夜」
速攻そう返ってきた。
なんで……っ!
「なんで私のせいなんですか……!」
どう考えたって佳波さんのせいでしょう!!
「亜夜が可愛すぎるのが悪い。だから、亜夜のせい」
なんて平気な顔でいうものだから。
嬉しいけど、複雑……私のせいじゃないもん。
拗ねると佳波さんは私の頭をくしゃっと撫でた。
「ごめんごめん。可愛いからついからかっちゃった」
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