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「もうできるよ」
「はい」
飲み物もできたしナイフとフォークも用意した。
あとは……忘れちゃいけないものが。
冷凍庫を開けると見慣れたパッケージ。
私の一番のお気に入り。いつも佳波さんが買っておいてくれる。
ペリ、とふたを開けると甘い匂いが。
それを佳波さんが持ってきてくれたフレンチトーストにのせて。
「美味しそう」
佳波さんが言う。
「フレンチトーストとアイスの相性は最高です!」
いただきます、と二人で手を合わせる。
甘い香りが口いっぱいに……。
ああ、これだ、この香りだ。
甘い。すごく甘い香り。だけど甘ったるくはなく、上品で。
同じ香り。
大好きな人、佳波さんと。
ふふ、とつい笑みがこぼれて、佳波さんに不思議そうな顔をされた。
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