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「そういえば、一緒に遊んでた葉月がどうしてできてるんだよ」
問題集を持っている葉月を見ていたらそのことを思い出した。
「俺もできたの昨日だし。だから、今更遅れてもいいよ」
そう言って、葉月は俺の机に問題集を置く。
「ダメ。葉月は一瞬でも早く出せ」
葉月にそんなことをさせるわけにはいかない。すぐに問題集を返す。
「葉月は解答、持ってるのよね」
本を読んでいた美羽が本から目を離さずに言う。
「持ってる」
美羽を見て葉月は言った。
「じゃあ、葉月は宿題を提出して、放課後になったら一緒に勉強すればいいんじゃない?」
ボクと葉月はそう言いながら本を読み続ける美羽を見つめた。美羽はページをめくる。
「今日って、予定なかったよな」
葉月がボクを見て言う。
「うん、ない」
ボクも葉月も帰宅部だ。
「じゃあ、そうするか?」
「……まあ、いいけど」
ボクは葉月と居られるなら文句はない。
「ふぅ」
美羽は一仕事終えた、という感じでため息をつくと、黙々と本を読んでいた。
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