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「飽きないわけ?」
美羽がボクと葉月を見て言う。
「何が?」
「毎日一緒にいて」
「飽きる飽きないの問題じゃなくて、出かけたいなと思うと、葉月がいるから」
「俺も、出かけようかなと思うといるから」
葉月はボクを見て言う。いい感じのリズムだった。自分でも絶妙に息が合ってると思った。
「だいたい行きたい場所も一緒だし」
ボクが言うと葉月がうなずく。
「俺も行きたかったってこと多い」
前世で夫婦だったからなのか、こういうとこ、気が合う。
「ちなみに今、行きたいのどこ?」
迷惑そうな顔で美羽が言う。
「ん~」
美羽の問いに、どこに行きたいのかと自分に問いかけてみる。
「水族館?」
ぽっと浮かんだ。
「なんでこの季節に?」
美羽が迷惑そうに言う。
「水族館って、夏じゃないか?」
自然な感じに葉月が聞いてきた。
「室内だし、冬に行ってもいいと思うぞ」
「まあ、セイが行くなら行ってもいいけど」
「そうか? じゃあ、次の休みに行くか?」
「どこの水族館にする?」
するすると話が決まっていく。
「なんで遊ぶ約束になってるのよ」
それを見ていた美羽が言う。
「美羽が言ったんだろ? どこに行きたいかって」
「言ったけど、まさかそれで遊びに行く約束になるなんて思わないわよ」
「でも、いつもこんな感じだぞ」
そう言うと、葉月がコクコクとうなずく。葉月もそれが普通だと思っている。
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