3 平穏無事な日々

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「飽きないわけ?」  美羽がボクと葉月を見て言う。 「何が?」 「毎日一緒にいて」 「飽きる飽きないの問題じゃなくて、出かけたいなと思うと、葉月がいるから」 「俺も、出かけようかなと思うといるから」  葉月はボクを見て言う。いい感じのリズムだった。自分でも絶妙に息が合ってると思った。 「だいたい行きたい場所も一緒だし」  ボクが言うと葉月がうなずく。 「俺も行きたかったってこと多い」  前世で夫婦だったからなのか、こういうとこ、気が合う。 「ちなみに今、行きたいのどこ?」  迷惑そうな顔で美羽が言う。 「ん~」  美羽の問いに、どこに行きたいのかと自分に問いかけてみる。 「水族館?」  ぽっと浮かんだ。 「なんでこの季節に?」  美羽が迷惑そうに言う。 「水族館って、夏じゃないか?」  自然な感じに葉月が聞いてきた。 「室内だし、冬に行ってもいいと思うぞ」 「まあ、セイが行くなら行ってもいいけど」 「そうか? じゃあ、次の休みに行くか?」 「どこの水族館にする?」  するすると話が決まっていく。 「なんで遊ぶ約束になってるのよ」  それを見ていた美羽が言う。 「美羽が言ったんだろ? どこに行きたいかって」 「言ったけど、まさかそれで遊びに行く約束になるなんて思わないわよ」 「でも、いつもこんな感じだぞ」  そう言うと、葉月がコクコクとうなずく。葉月もそれが普通だと思っている。
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