崩口川(くえくちがわ)

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1 悲劇は、ほんのささいな出来事から始まった。 時は、2017年1月16日の朝方のことであった。 場所は、高須にある養鶏場(ようけいじょう)にて… 養鶏場は、西条市の社会福祉施設が運営をしている福祉就労(A型)の施設である。 この日、城ノ井(きのい)のりひで(41歳・軽度の知的障がいがある)が同じ就労施設で働いている男性(60代くらい)がサイフを落として困っていたので、サイフをひろって男性に届けてあげた。 のりひでは、サイフを落として困っていた人を助けてあげたが、サイフの中身をみてごう慢な態度になっていたので、サイフの持ち主の男性にお礼をくれと強要していた。 サイフの中には現金20万円が入っていた。 のりひでは、男性がナンバーズ(宝くじ)で大金をあてたことを理由お礼をくれと言うて、男性にしつこく強要していた。 男性は、その中から半分の10万円をのりひでに手渡した。 「わーい、10万円だ~」 のりひでは、カネに困っていれば人のサイフをアテにすればいいやと思っていたので、ごう慢になっていたのと同時に勤務態度も生活態度も悪くなっていたので、お給料は刑務所のお給料(数百円くらい?)同然となっていた。 職場の物を故意に破損させたり、出荷する卵を大量に破損させたりするなど… のりひでは、毎月のように悪いことばかりを繰り返していたので、お給料は数百円になっていた。 のりひでは、職場で悪いことばかりを繰り返していても、反省する態度が全くない… お給料が数百円になっても、金回りのいい人のサイフをアテにすればいいからとオキラクになっていたので、のりひではどうしようもないバカになっていた。
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