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改めて書き直された貸し出し表はこうだ。
『・有るべき者=評論文
・花の切り絵=工作図書
・アルタイルの奇跡=ファンタジー小説
・心が晴れ=古典風文学
・女神が素晴らしいのでここで生活します=ライトノベル
・犯罪は霧の中:後編=推理小説』
うーん。 書き出してもらったが、やはりジャンルは関係無さそうだな。
芯は戻さずにシャーペンを胸ポケットに戻し、ぐいと顔を近づけて先輩は訊いてくる。
「どう。 何か分かりそう?」
「いや、まだ何もーー」
「まあまあ。 先輩、センの推理力をナメてはいけませんよ! 入学初日にも関わらず、早速一つの謎を解いたばかりですから」
俺の言葉尻に重ねて意気揚々と広太は語る。
自信満々に俺の推理力をさも自分のものかのように話すのは構わんが、あれは偶然だ。 もしも入れられていたのが『怪談研究会』だったら、俺は完全に推理に行き詰まった事だろう。
......いや、そうじゃなくて話を戻そう。 本のジャンルが違うのなら、並び替えか? 本のタイトルを並び替えると意味のある文章が出てきて一つのストーリーが生まれるとか。
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