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謎その二。 借りられっぱなしの本
「立って話すのもなんだからさ、座ろうよ」
メイ先輩に促され、近場にあった適当な椅子に腰掛ける。
お、この椅子は丈にあっている。 担任の何某先生は椅子の交換があれば申し出てほしいと行っていた。 あとで交換しておこうかとも思ったが、ここまでの道のりを思い返してやめた。
一つの机を囲むように三人が座ったところで、先輩は起きた事件についてまるで怪談を始めるかのように声を落として静かに話し始めた。
「私、図書委員に入ってるんだけどね? 二ヶ月前からおかしな事が起きてるの」
「二ヶ月前って......」
話し始めたところで申し訳ありませんが、どうしてそんなに前の事件を今になって。
まさか、それを入学初日の俺に解決できると?
「でもね。 事件の内容はいたってシンプルなの」
「へえ? 何が起きたんですか」
広太はいつの間にかメモを取り出し、取材記者のような眼差しで先輩に質問を投げかけた。
先輩は口に手を当てて一層声を潜め、
「関連の無い本が二月の中旬から貸し出されたままになってるの」
はあ。 それはまた読書好きな奴もいたもんだな。
先輩は口調を変えずに話を続ける。
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