第一章 うつけの戯《たわむ》れ

5/16
89人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
慌てて胸を隠そうとするも、両腕を押さえられる。 逃れようと身体をくねらす女を満足げに見下す。 「美しい……」 そう呟くと薄く紅をさした唇をむさぼるように覆いつくす。 ぎゅっときつく口を結んで避ける。しかし男に頬を絞り上げられ舌を強引にねじ入れられる。 自由になった腕で男の身体を突き放そうとするも、少しも動かない。 男の手が乳房を揉みしだく。 外輪を鷲掴みにしたり、稜線をなぞるように掌を添わせたり。 乳房の芯の先、さくら色に染まる蕾を指でこねくられる。 ジンジンとした痺れが伝わる。 「くっ!ふっ!」 漏れ出た声に気を良くした男が更に胸の芯を(もてあそ)ぶ。 蕾は固さを増してぷっくりと膨らみも増す。 目をきつく閉じ、口をきつく閉じて耐え忍ぶ。 腕を付き伸ばすも鍛え上げられた身体は圧力を増すばかりだ。 やがて男は女の身体を持ち上げ、帯に手をかけ乱雑に解く。 身体を裏にされ表にされ(かが)められ…。 少し手間取ったが帯は剥ぎ取られ土間にうち捨てられた。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!