5人が本棚に入れています
本棚に追加
家の1階にある出入り口や窓は核シェルターに身を潜める前にバリケードで補強し塞いであったが、キッチンの勝手口にあるゾンビが徘徊する数日前にいなくなった飼い猫の為の出入り口だけは、帰ってくる可能性があるため塞がなかった。
エリスは其処から庭に出てしまう。
エリスの助けを求める声と悲鳴に気が付きキッチンに駆けつけた時、エリスは猫の出入り口から上半身を家の中に入れもがいていた。
エリスを家の中に引きずり込んで、猫の出入り口に頭を突っ込んで来たゾンビの頭に銃弾を撃ち込み、冷蔵庫を横倒しにして猫の出入り口を封鎖。
手当てしようと抱き上げたときには、エリスは、エリスは、ゾンビになっていた。
私につかみかかり噛みつこうとするエリスを、お気に入りだったピンクの寝袋で包む。
キッチンの椅子に座り、寝袋の中のエリスが頭を上げる度に銃口を向けるが撃てない。
エリスを寝袋に入れたとき明るかった空は暗くなっている。
肩に手が添えられジュディが私の耳に囁く、「エリスを楽にしてあげて、エリスが可愛いと思うなら早く永遠の眠りに就かせてあげて」と。
その声に急かされるように銃口をエリスの頭に向けるが、どうしても引き金を引く事が出来ないのだ。
「誰か! 誰か! 私の代わりにエリスを永遠の眠りに就かせてあげてくれーーーー!」
最初のコメントを投稿しよう!