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彼、星野和也にプロポーズされたのは、彼が東京の大学を卒業したら、実家に戻るという告白と一緒にだった。
私、寺岡夜空は、その申し出に躊躇した。
私は生まれてからの二十七年間、ずっと東京暮らしだったのと、彼が実家に戻る理由が、ご両親の農業、畑仕事を手伝うためって事だったから。
ほかに理由を挙げるなら、彼は二十三歳の年下である事、結婚したら私は「星野夜空」などどいう、星の綺麗な彼の田舎にぴったりな名前になる事とか。
でも、最大の理由はやはり、私は畑仕事なんかやりたくない、だ。
私の夢は、小さくてもいいから、喫茶店を開きたいという事。そのために、今までずっと欲しいものも我慢して、貯金もしてきた。
その事を彼に言ったら
「君には絶対に農作業はやらせない。約束する」
と、言ってくれた。
喫茶店も、実家には土地が余ってるから、そこでやればいいと。
ちょうど、国道沿いにいい場所があるのだとか。
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