不思議な彼女と告白

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「吉沢君! 大丈夫!?」  俺が縛られているところを見ると、彼女は驚いたような表情で叫んだ。俺は、お前のせいだと少し思いながら答える。 「宮川さん? ありがとう…」  彼女はすぐさま助け出してくれて、俺は立ち上がる。彼女は俺の方に来ると思ったが、まったく予想外の行動を取った。 「いい加減にして!」  強烈な平手打ちを犯人にお見舞いしたのだ。  受けた側は驚きの表情を浮かべて、座り込んでしまった。 「さ、一緒に帰りましょう」  俺の手を取って笑顔で答える。宮川さんの手は、ほんのり温かく、柔らかかった。子供みたいな感想だが、国語力が少し足りない俺では、そう表現するしかなかった。
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