第1章:マオ【因果応報】

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お小遣い稼ぎを始めて4ヶ月くらい経った頃、更衣室で着替えていると珍しくNo.1のリナが近付いて来た。 この女は、わたしとは対称的なキャバ嬢。 枕営業は一切しないでNo.1という地位を5年以上もキープしてる。 だから、すぐに客と寝るわたしを煙たがっているのは入った当初から気付いてた。 実際、わたしもリナのことはカタブツって嫌っていたから、2人の不仲はブラックフェザーでは周知の事実。 何より気に入らないのは、リナはスッピンでもメチャクチャ綺麗ってこと。 「マオ、柿谷さんの件聞いた?」 「カキタニって、誰ですかぁ?」 「あんたね、自分の客くらい覚えてなさいよ。半年くらい前に来始めて、アンタにヤらせろってずっとしつこく迫ってたエロオヤジ!」 あーあ、珍しく声を掛けて来たと思ったら、説教? ホント勘弁してよ。
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