63人が本棚に入れています
本棚に追加
ヨウコの視線は無意識のうちに、彼女たちが犠牲となった五差路のauショップへ向いていた。
「しかも犯人は、20歳の女子大生だっていうじゃないですか。ワイドショーに出てた写真を見て、驚きましたよ。僕と同い年のあんなに可愛らしい人が、14人もの命を奪ったのかって」
―――― なるほど。この男は、廣川 花凛と同じ20歳か……。
青年の声が途切れたところで、ヨウコは彼へ向き直った。
「亡くなったご友人とは、長年のお付き合いだったんですか?」
気を付けてはいても、なかなか日頃の習慣というのは抜けないものだ。
ヨウコがつい問い掛けてしまった、被害者との関係性。
だが、青年はそれに対して気にする様子もなく、左右に頭を振った。
最初のコメントを投稿しよう!