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「あの……。もし、お時間があるようでしたら一緒にそのバーへ行きませんか?」
「えっ、この後ですか……?」
「はい。本当は亡くなった友人を偲んで、1人で飲むつもりだったんですけど、ご迷惑でしょうか?」
思いがけない誘いに、ヨウコは目を見開いた。
このチャンスを逃す手はない。
しかし、2つ返事で彼の誘いに乗るのも、怪しまれるだろうか。
何より、今し方知り合った男と飲みに行くなど、軽い女のようで気が引ける。
ヨウコは咄嗟に左腕につけた時計を見て、迷うフリをした。
実際、時刻はまだ午後3時を過ぎたところだ。
バーが開くには、だいぶ早いだろう。
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