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それから数分と待たずに運ばれてきたコーヒーの香りにヤスヒトは満足気な表情を浮かべると、カップを手に取る。
流れるようなその動きにヨウコは思わず見とれそうになったが、自戒してこう切り出した。
「影野さんは、学生さん?」
「はい、今は按摩マッサージ指圧師の資格を取るために渋谷にある専門学校へ通ってます」
「マッサージ師の専門学校って、3年制ですか?」
「そうです。普段は午前中に学校へ行って、午後からマッサージ院で研修なんですけど、今日は休みになったので」
「大変ですね。一番遊びたい年頃でしょうに」
「いえ、自分のやりたい事の為ですから。ヨウコさんは、何のお仕事をされてるんですか?」
突然の質問に対する、一瞬の沈黙。
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