第13章:邂逅遭遇 3

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どういった原理なのかは、わからない。 だが、おそらく彼の前で隠し事はできないのだろう。 ダークブラウンの瞳を見つめる度に仮面を剥がされ、自分の深層心理を見抜かれるような感覚に襲われる。 ―――― 不思議な男……。 ヨウコは心の中で呟きながら、ジャズの音色に耳を傾けていた。 「お待たせしました」 程なくして、自分たちの前に並べられたカンパリ・ビア。 鮮やかな赤を見て血液を連想してしまうのは、通り魔事件の光景が目に焼き付いて離れないからに違いない。
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