第2章:トキコ【厚顔無恥】

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「ちょっと、アンタたち! いつまで、私を待たせるつもり!?」 痺れを切らした私は立ち上がり、大声をあげた。 水を打ったように静まり返る店内。 冷ややかな視線が、こっちに集まる。 「何? 文句でもあんの!?」 私はハイヒールの音を鳴らしながら詰め寄り、ピンドンを入れた隣のテーブル客を睨みつけた。 こんな大学生みたいな若い女が……何でそんな大金持ってんのよ。 どうせ金持ちのオヤジに股開いて、お金貰ってんでしょ? 若い女は俯き、私とは目を合わせようとしない。
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